公立小学校
学年のしくみと授業内容
フランスの小学校は、6歳になる年の9月から始まります。ほとんどの小学校は、幼稚園に併設されているため、そのまま持ち上がりとなります。入学手続き、1日のスケジュール、給食などは、幼稚園同様になります(幼稚園の1日)。
小学校からが義務教育となり、これが初等教育の始まりです。日本と違い小学校は5年制のシステムで、各学年の呼び方は日本と異なります。下記が、呼び方とそれぞれの大まかな授業内容です。
- 1年生:CP ( cours préparatoire、準備科 )
→フランス語 (読み書き) 、算数、社会、外国語、美術、音楽、体育 - 2年生:CE1 ( cours élémentaire niveaux 1、初級科1年 )
→フランス語(読み書き)、算数、社会、外国語、美術、音楽、体育、世界史 - 3年生:CE2 ( cours élémentaire niveaux 2、初級科2年 )
→フランス語、算数、社会、外国語、美術、音楽、体育、歴史、地理、科学 - 4年生:CM1 ( cours moyen niveaux 1、中級科1年 )
→フランス語、算数、社会、外国語、美術、音楽、体育、歴史、地理、科学 - 5年生:CM2 ( cours moyen niveaux 2、中級科2年 )
→フランス語、算数、社会、外国語、美術、音楽、体育、歴史、地理、科学
宿題と留年制度
フランスの初等教育はとても厳しく、留年する子供も少なくはありません。留年や落第と聞くととてもマイナスなイメージですが、フランスではとても肯定的に捉えられているのです。それは、十分に理解をできないままに次の学年へ進めることは、子どもの負担になるからとの考えからです。
また、入学当初から沢山の宿題が課されます。バカンス期間以外の長期欠席を申し出る場合は、校長の許可をとらなくてはならず、正当な理由以外では許可が下りません。幼稚園時代に、日本へ一時帰国するために休みを取っていた家庭も、小学校に入るととても取りづらくなります。もっとも、フランスの小学校の授業は、一日のカリキュラムが多く詰め込まれているので、不用意に欠席を繰り返してしまうと、子供にとっても追いつくのに大変なことになります。
先に、宿題が多いと書きましたが、バカンス時期には宿題がでません。これは日本と大きく違いますね。
持ち物
フランスの小学生は、重たいカバンを持って(もしくはローラー付のカバン)登下校します。基本的に学用品は教室には置かず、毎日、持ち帰ります。それは、教室移動が多いためと、残念ながら盗難もあるためです。
日本の小学校では、鉛筆の使用が基本ですが、フランスは万年筆(もしくはペン)です。消しゴムは使用しません。
課外授業
フランスの小学校はプールもなく、校庭や体育館などもとても狭いです。そのため、校外への課外授業が多く見られ、その際には保護者が付き添って協力します。また、泊りの課外授業(CLASSE VERTE)になると料金も発生するため、子供たちが授業の一環として、手作り品や小さなものを売って資金を集めるような活動もします。
登下校
日本では小学校に入学すると、集団登下校が主流になりますが、フランスは小学校卒業までは保護者の付き添いが義務付けられています。
以上は、公立小学校を例に書き出しましたが、私立小学校も同じようなシステムです。ストラスブールの私立小学校は、幼稚園のページ(幼稚園の登録・必要なもの)を参照ください。