中学校
学年のしくみと授業内容
フランスの中学校は、学区内のいくつかの小学校が集まるので、規模が大きくなります。入学手続きは、今まで同様に市への登録を行います。日本と違い、中学校は4年制のシステムで、各学年の呼び方は日本と異なり、学年が上がるごとに数字が小さくなります。下記が、呼び方とそれぞれの大まかな授業内容です。
- 1年生:6 ème(中学校に慣れる時期)
→フランス語 、数学、第1外国語、歴史と地理、科学、美術、音楽、体育 - 2年生:5 ème(物事を理解し、応用する力をつける時期)
→フランス語 、数学、第1外国語、歴史と地理、科学、化学、物理、美術、音楽、体育、ラテン語(選択) - 3年生:4 ème(物事を理解し、応用する力をつける時期)
→フランス語 、数学、第1・第2外国語、歴史と地理、科学、化学、物理、美術、音楽、体育、ラテン語又は地方言語(選択) - 4年生:3 ème (将来の進路を考える時期)
→フランス語 、数学、第1・弟2外国語、歴史と地理、科学、化学、物理、美術、音楽、体育、選択授業:専門知識、外国語、ラテン語、ギリシャ語のうちいずれか
時間割と登下校
小学校までは、登下校に保護者の付き添いが義務付けられていますが、中学校に入ると自由登校です。
また、中学校も義務教育ですので、小学校同様に安易に欠席をすることはできません。そして、中学校からは水曜の午前中も授業が入ります。
1日の流れは、午前4時間の授業、昼食(1時間半)、午後2時間から3時間の授業です。それぞれの時間割によって登下校の時間が異なります。昼食は、給食もしくは自宅でとります。
行事や特殊授業
行事としては、林間学校、スキー旅行、ホームステイ、学校祭などの活動が行われます。
中学卒業後の進路についての指導が始まる3 èmeでは、職業体験制度があります。将来就きたい仕事や興味のある仕事の受け入れ先を、本人または家族が探します。ここで1週間の研修を行って、社会勉強をするのです。もちろん授業の一環なので、無報酬です。ドイツやスペインなどへの海外旅行に出かけるのもこの学年です。
卒業試験
最も大事なものが学年末に行われる中学卒業試験(Diplôme national du brevet)です。3 èmeの年間成績と試験の結果が20点中12点以上であれば合格です。この試験に合格すれば、国家資格の中等教育国家資格証明書を交付され、中学卒業となります。この卒業試験の合格率は85パーセント程で、留年する生徒も毎年でています。
卒業後の進路選択
卒業後の進路選択には、大学入学を目指すための「普通教育課程高校(Lysée général)」、工業の専門的な知識を身につける「工業高校Lysée technologie」、職人的な専門知識を身につける「職業高校Lysée professionnel」があります。フランスの義務教育は16歳までなので、年齢によっては、中学卒業後、すぐに仕事に就く生徒もいます。
私立中学
私立中学校では、基本的に小中高の一環教育になるため、エスカレーター式で上がってきます。授業内容は上記の公立中学校のそれと同じです。